見積書作成・書き方と無料エクセルテンプレート!独立・起業したら最低限知っておくべきポイントまとめ
小売店での売買を除けば、個人、法人を問わず、誰かに何かを販売する前には「見積もり」という行為が発生します。営業に携わったことのある方であれば、見積書を作る機会も多かったのではないでしょうか。反対に、営業に関係のない職種だった方は見積書を作る機会はほとんどなかったかもしれません。
しかし、独立・起業をした場合には、見積書を作る過程は避けられないといってもよいでしょう。ここでは、営業職以外から独立をして見積書をはじめて作る、またはまだあまり作ったことがない方を対象に、見積書作成の基本をご紹介します。
(解説の前に)今すぐ見積書作成をしたい方はこちら
見積書を作る目的
見積書を作る目的は主に3つです。
1.あらかじめ価格や支払条件、納品物の内容をクライアントに周知する
「書類は要らないからざっくり見積もりちょうだい」と言われた経験のある方は多いのではないでしょうか。いわば「超概算見積り」と言えるものですが、起業したばかりの方やフリーランスの方は口頭やメールで見積りのやり取りをし、正式な見積書を発行しないケースも少なくないようです。
しかし、これは後々トラブルの原因になりかねません。開発案件であれば仕様の細部で認識に行き違いが生じ工数が膨らんでしまうことはよくありますし、資金繰りが厳しいときに入金日の認識が異なっていたりすると大事です。
見積書をきちんと発行することにより、クライアントと取引条件を明確に共有し、後々のトラブルを防ぐことができます。
2.組織内の情報共有の役割
少人数で立ち上げた会社の場合、各人の裁量が大きいために窓口となる担当者によって取引条件がバラバラになってしまうケースがよく見られます。
見積書のフォーマットを共通化し、発行した見積書を社内で共有することで、こうした連絡の不備からくるトラブルを防ぐことができます。
なお、こうした見積書の共有には当boardのようなクラウドサービスが最適です。いちいち共有フォルダにファイルを置くなどのアクションが不要なため、共有漏れを防ぎやすくなります。
3.商談相手に決断を促す効果
いつまでも結論が出ず、商談がズルズルと長引いてしまうケースは少なくありません。そんなとき、口頭で伝えていた見積内容をきちんと書面に落とし込み、見積書を用意すると案外すんなりと商談が進むことがあります。
そのときには見積書の有効期限の明記や、発注書をセットにして提示をすると一層効果的です。
見積書作成時に注意するポイント
1.初めから値引きを提示しない
受注が欲しいばかりに、はじめから限界まで値引きをした見積書を持っていく方をよく見かけますが、これはあまり好ましくありません。発注担当者は提示された見積りから値引き交渉を開始するつもりであることも多く、はじめから値引きをした見積書を持って行くとそこが基準となってしまうためです。
商談相手にもよりますが、よほど相手とコミュニケーションが取れている状態以外では、まずは値引きのない正価の見積りを提出した方が無難でしょう。
2.誤解が生じにくいようなるべく詳しく、明確に書く
前述もしましたが、見積書を作成する目的のひとつはクライアントと明確な取引内容を共有し、誤解や認識違いをなくすことです。単に見積書を作れば良いわけではなく、取引内容がきちんと伝わる見積書を作成する必要があります。
各明細をなるべく具体的に記述したり、細かな条件は備考欄に追記したり、誤解が生じにくいようなるべく詳しく、明確に書くことが重要です。取引内容が複雑で見積書だけでは書ききれない場合には、別途仕様書や契約書などに詳細を記述しても問題ありません。
なお、別途、取引内容を定義した書類がある場合は、見積書の備考などに「詳細な内容についてはxxx参照」といった形で一文入れましょう。
3.有効期限を明記する
見積書に有効期限を記載していない場合、値引きの約束が何年も持ち越されてしまったり、原価が変わっているのに旧価格での取引を求められたりといったトラブルの元になります。見積書の有効期限は業界によって異なりますが、2週間~1ヶ月程度が多いようです。
見積書に記載する項目
・宛名:相手方の名称です。社名、部署名のみの場合は「御中」。担当者名をつける場合は「様」を入れましょう。
・発行者・押印:自社の名称です。社名だけでなく、住所まで記載するのが一般的です。
・発行日・有効期限:いつ発行した、いつまで有効な見積なのかを明確にできます。
・見積金額:見積の合計金額です。
・見積明細:項目ごとの見積金額です。なるべく詳しく書いた方がトラブルを避けられるでしょう。
・消費税:税込・税抜の認識違いを防ぐため、消費税額を明示、または(税込)などの表示をしましょう。
・納品場所:物品などの有体物は住所、データなどの無体物は「メール添付」や「貴社サーバ」などと記載します。
・納期:発注日に左右される場合は、「発注日から起算して●営業日後」といった表記がよいでしょう。
・備考(注意書き):明細に書ききれなかった条件や見積もりの前提条件などは備考に書くとよいでしょう。
見積書テンプレート
見積書を作成すると「発注書・納品書・請求書」を一括作成できるエクセルテンプレートを配布中です。
よろしければぜひお使いください。
見積書テンプレート(縦 - HGゴシックE)
太めのゴシックフォントでくっきりと読みやすいテンプレートです。
*色のパターンは、Excelのテーマを切り替えて変更したものですので、下記以外にも変更可能です。
見積書テンプレート(縦 - HG明朝B)
フォーマルな文書に使用される明朝体のテンプレートです。大企業や公的機関とのやり取りが多い企業におすすめです。
*色のパターンは、Excelのテーマを切り替えて変更したものですので、下記以外にも変更可能です。
見積書テンプレート(縦 - メイリオ)
Web制作において最も多用されているメイリオフォントのテンプレートです。Web制作・開発会社におすすめです。
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見積書テンプレート(縦 - MSPゴシック)
エクセルやワードに初期設定されているMS Pゴシックを用いており、使用する業種を選ばないフォントです。
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見積書テンプレート(横 - メイリオ)
摘要が長い業種に向いた横書きのテンプレートです。
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見積書テンプレート(横 - MSPゴシック)
右側に大きく備考欄を取ったテンプレートです。
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見積書テンプレート(横 - HG丸ゴシックM-PRO)
丸ゴシックを用いたかわいらしいテンプレートです。女性向けの商材を扱う企業におすすめです。
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boardの元になったExcelテンプレート
最後に、boardを開発したヴェルクで、以前使っていたExcelテンプレートです。(このテンプレートは配色切り替えには対応していません)
boardでは一度の登録で、見積書・発注書・発注請書・納品書・検収書・請求書が自動生成されますが、実は原型がこのExcelテンプレートの時からありました。
参考:請求書作成のシステム化が目的ではなく、業務・経営をサポートするための設計
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